元メーカー経営者が語る、製造業のためのWeb受注獲得3つのステップ


【元メーカー経営者が語る、製造業のためのWeb受注獲得3つのステップ】

はじめに:技術力だけでは、もう戦えない時代

「うちには長年培ってきた高い技術力がある。真面目に良いものを作っていれば、いつか誰かが見つけてくれるはずだ」

かつてメーカーの経営者だった私も、固くそう信じていました。しかし、現実はどうでしょうか。「気づけば、長年の取引先からの発注が減っている」「新規の引き合いは、相見積もりの価格競争ばかり…」「営業マンが足で稼ぐ昔ながらのやり方だけでは、限界を感じている」

もし、社長であるあなたが少しでもこう感じているなら、それは決して特別なことではありません。多くの製造業が同じ悩みを抱えているのです。

こんにちは。私は以前、従業員数60名ほどの小さなメーカーを経営していた者です。現場からの軋轢、定着しない従業員、そして月末の資金繰りの悩み。その全てを経験してきました。

そんな私が、会社の未来を賭けて取り組んだのが「Webの活用」です。正直、最初は半信半疑でした。「職人の世界に、インターネットなんて…」と。しかし、結果として、Webは私の会社にとって最高の営業マンになってくれたのです。

この記事では、かつての私と同じように悩む製造業の経営者様に向けて、私が実践してきたWeb受注獲得のための「3つのステップ」を、難しい専門用語は一切使わずに、実体験を交えながらお話しします。

ステップ1:会社の「顔」を整える – 信頼されるホームページの作り方

まず、想像してみてください。どんなに立派な工場や最新の設備を持っていても、会社の入り口である門が錆びてボロボロだったら、お客様はどんな気持ちになるでしょうか?安心して中に入ろうとは思わないはずです。

ホームページは、まさにWeb上の「会社の顔」であり「玄関」です。

なぜ必要か?

せっかく興味を持ってくれた見込み客があなたの会社のホームページを訪れても、情報が古かったり、何をやっている会社なのか分かりにくかったりすれば、ものの数秒で離れていってしまいます。これは、目の前に現れたお客様を門前払いしているのと同じ。非常にもったいないことです。

何をすべきか?

見直すポイントは3つだけです。

  1. 「私たちは、誰の、どんな悩みを解決できる会社なのか」をトップページの一番目立つ場所に書く。「高精度な〇〇加工技術」と書くのではなく、「他社で断られた難加工でお困りの設計開発担当者様へ」といったように、相手の顔を思い浮かべて語りかけるのです。
  2. 技術力や実績を「お客様の声」や「具体的な事例」で紹介する。専門的な技術の羅列は、残念ながら専門家以外には伝わりません。「A社様の〇〇という課題を、当社のこの技術で解決し、結果コストが20%下がりました」といったストーリーで語ることで、初めて技術の価値が伝わります。製品や工場の写真をたくさん載せるのも効果的です。
  3. スマートフォンで見た時に、読みやすいか確認する。意外と見落としがちですが、今は工場の現場担当者も、移動中の営業マンも、スマホで情報収集をします。パソコンでしか見られないサイトは、それだけで機会を失っているのです。

どんな効果が期待できるか?

これらを整えるだけで、ホームページは「ただ存在するだけのパンフレット」から、「24時間365日、文句も言わずに働き続ける優秀な営業マン」に変わります。会社の信頼性が格段に上がり、「この会社なら、一度話を聞いてみたい」と思わせることができるようになります。

ステップ2:見つけてもらう「仕掛け」を作る – 眠っている技術資産の活用法

さて、立派な玄関(ホームページ)が完成しました。しかし、その玄関の前に人通りがなければ、誰も訪ねてきてはくれません。

次のステップは、あなたの会社を「見つけてもらう」ための仕掛け作りです。

なぜ必要か?

素晴らしい技術や製品も、知ってもらえなければ存在しないのと同じです。かつては展示会に出展したり、業界紙に広告を出したりしていましたが、今はもっと効率的な方法があります。それは、Web上に見込み客が自然と集まってくる「道」を作ることです。

何をすべきか?

難しく考える必要はありません。あなたの会社に眠っている「資産」を活用するのです。

  1. 技術ブログを始める。「こんな加工で困っていませんか?」「〇〇の精度を上げるための3つのポイント」といった、技術者が当たり前だと思っている知識やノウハウが、お客様にとっては喉から手が出るほど欲しい情報なのです。こうした情報を発信し続けると、課題を抱えた見込み客が検索してたどり着いてくれるようになります。
  2. 「事例紹介」のページをどんどん増やす。ステップ1でも触れましたが、事例は最強のコンテンツです。「どんなお客様の、どんな課題を、どうやって解決したか」という物語は、新しいお客様を連れてきてくれます。許可を得て、お客様の製品やロゴを掲載できれば、信頼性はさらに高まります。
  3. YouTubeで動画を公開する。「動画なんて…」と敬遠しないでください。機械が精密に動く様子、職人の真剣な眼差し、活気のある工場の雰囲気。これらは、文章や写真では伝えきれない、あなたの会社の何よりの強みです。スマートフォンのカメラで撮影した短い動画でも、その価値は十分に伝わります。

どんな効果が期待できるか?

これらの仕掛けによって、これまで接点のなかった遠方の企業や、全く違う業界の担当者から「ブログの記事を読んで、ぜひ相談したいのですが…」といった問い合わせが舞い込むようになります。価格競争に巻き込まれることなく、「あなたの会社の技術でお願いしたい」という、質の高い引き合いが増えていくのです。

ステップ3:問い合わせを「仕組み化」する – 営業の負担を劇的に減らす

ホームページが整い、見つけてもらう仕掛けもできました。すると、徐々にWebからの問い合わせが増えてきます。これは嬉しい悲鳴ですが、ここで満足してはいけません。

最後のステップは、やってきたチャンスを確実に受注に繋げるための「仕組み化」です。

なぜ必要か?

せっかく魚がたくさん集まってきても、捕まえるための網が破れていては、全て逃げられてしまいます。問い合わせへの対応が遅れたり、担当者によって言うことが違ったり、情報が社内で共有されていなかったりすると、せっかくの商談機会を失い、会社の信用も落としてしまいます。

何をすべきか?

ここでも、難しいツールは必要ありません。

  1. ホームページの問い合わせフォームを見直す。入力項目は必要最小限にし、「どのようなことでお困りか」「納期や予算の希望」など、営業担当者が初動で知りたい情報を選択式で入れられるように工夫します。これだけで、その後の対応が格段にスムーズになります。
  2. 問い合わせ対応の「ルール」を決める。「Webからの問い合わせは、〇〇さんが一次対応し、24時間以内に必ず返信する」「対応履歴は、共有のExcelシートに必ず記録する」といった、ごく簡単なルールを決めて徹底するだけです。これにより、対応漏れや属人化を防ぎます。

どんな効果が期待できるか?

この仕組みがあるだけで、営業担当者は、確度の高い見込み客への提案活動に集中できるようになります。お客様を待たせることがなくなり、顧客満足度も向上。結果として、受注率が着実に上がっていきます。蓄積された問い合わせデータは、将来の経営戦略を立てる上での貴重な財産にもなります。

まとめ:未来を切り拓く、最初の一歩

元メーカー経営者として断言します。現代において、Web活用はもはや「やってもやらなくても良い」選択肢ではありません。会社の未来を創るための、必須の経営戦略です。

今回お話しした3つのステップ、

  1. ステップ1:会社の「顔」を整える
  2. ステップ2:見つけてもらう「仕掛け」を作る
  3. ステップ3:問い合わせを「仕組み化」する

これらは、決してITの専門家でなければできないような難しい話ではありません。大切なのは、社長であるあなたが「本気で取り組む」と覚悟を決め、最初の一歩を踏み出すことです。

とはいえ、「具体的に何から手をつければいいのか分からない」「日々の業務に追われ、とても自社だけでは手が回らない」というのが、経営者の本音かもしれません。

そんな時は、餅は餅屋。製造業のWeb活用・マーケティングを知り尽くした専門家の力を借りるのが、成功への一番の近道です。

私たちファロコンサルティングは、製造業のWeb受注獲得を支援しているプロフェッショナル集団です。

特筆すべきは、元メーカー経営者出身のコンサルタントが在籍していいます。現場の事情や経営者の悩みを深く理解した上で、絵に描いた餅ではない、地に足のついた具体的な提案をしてくれます。

まずは、【顧客獲得・継続 プロセス構築コンサルティングの具体的な支援の流れ】を覗いてみてください。どのような支援を行うのか、どのような会社が成果を出しているのか。その豊富な実績を見れば、きっと、貴社の未来を切り拓くための大きなヒントが見つかるはずです。

あなたの会社が持つ素晴らしい技術と、Webの力が掛け合わさった時、未来はきっと明るいものになると、私は信じています。

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