近年、インターネットの普及やIT技術の進歩により、マーケティングという言葉が持つ意味が少しずつ変化してきています。
マーケティングとは何か、その意味や戦略を立てる際の手順などをあらためて整理して解説していきます。また、マーケティング戦略やマーケティング施策を成功させるためのポイントについてお伝えします。
- マーケティングは、『顧客の欲求を満たすために企業が行う活動のこと』
- マーケティング戦略の立て方
- マーケティング施策を成功させる4つのポイント
- 企業の強みや市場の動きなどを分析し、自社に合ったマーケティング手法を導入しよう
1,マーケティングは、顧客の欲求を満たすために企業が行う活動のこと
マーケティングにはさまざまな定義があります。やや広義に捉えると、マーケティングとは『顧客の欲求を満たすために企業が行うあらゆる活動の総称』といえます。
具体的には、顧客のニーズを探るための市場調査・分析、それらにもとづく商品企画・開発、開発した商品を知ってもらうための広告宣伝活動・プロモーションなどがマーケティングに含まれます。さらに見方を変えれば、『商品を効率的に売るための仕組みを作ること』がマーケティングです。
マーケティングを行う理由とその目的
そもそも商品やサービスを販売するためには、誰に(WHO)、どんな価値を(WHAT)、どのように提供するか(HOW)を考えます。商品やサービスを効率良く売っていくには、それが有する価値を、それを求める消費者の固まりに対して的確にアプローチして伝える必要があるためです。そうしたアプローチができれば、顧客を獲得して売上拡大に結びつけることが可能になります。
一般化しつつあるウェブマーケティングとデジタルマーケティング
近年インターネットの普及やデジタル技術の発展により、ウェブマーケティングやデジタルマーケティングの活用が一般化してきています。この2つについても概要をお伝えします。
ウェブマーケティングとは…ウェブサイトやウェブサービス、ウェブ広告、解析ツールなどを利用することで、ターゲティング、集客、商品購入、顧客へのアフターフォローなどを行うマーケティングのことです。BtoCだけではなく、BtoBでもウェブを通じてマーティングが行われています。
これに対してデジタルマーケティングは、広く各種IT技術を活用したマーケティングを意味します。つまりデジタルマーケティングはウェブマーケティングの上位に位置します。スマートフォンやアプリによる行動履歴の蓄積、IoT製品によるデータ収集、AI技術を用いた分析などにより、顧客との関係性をより密にすることが可能になり、マーケティングに活かすことができるのです。
2,マーケティング戦略の立て方
誰に(WHO)、どんな価値を(WHAT)、どのように提供するかを(HOW)決めることを『マーケティング戦略』といいます。ここでは基本的なマーケティング戦略を解説します。

1. 内部環境・外部環境について分析する
内部環境とは自社に関する情報、外部環境とは市場、顧客、競合他社などに関する情報のことです。
マーケティング戦略では特に、外部環境に対する市場調査が重視されます。市場にどのような顧客がどれくらいのボリュームで存在しているのか、またその市場にはどのような需要があり、そして自社の商品・サービスに対してどのような印象や考えを持っているのかを調査・分析することで明らかにします。ここから既存の顧客と自社には関係していない未顧客(未認知顧客・認知未購買顧客)を別にして考え始めます。
2. ターゲット(WHO)を特定する
市場調査の結果にもとづいて、商品のターゲットを設定します。ターゲティングに際しては、まず市場を、類似した「属性」「行動特性」「心理的特徴」などを持つ顧客の固まりに分割する、市場細分化(セグメンテーション)を行います。
市場を細分化すれば、そのグループ内に存在する共通ニーズに対応した戦略を立てることができます。さらに、細分化した市場の中からより具体的なターゲットを特定することで(一人称=ペルソナ形成)、最も効果的なアプローチ方法を考えます。
3. 商品やサービスによって提供する価値(WHAT)を決める
ターゲットを特定したら、次に商品を通じて「提供する価値」を明確化します。顧客が自社商品によって得られる便益(ベネフィット)(メリットや満足感、あるいは解決できる課題など)を示す必要があります。
また、独自性(競合他社や競合商品との差別化するポイント)を打ち出します。これらにより、市場における自社と自社商品のポジショニングを設定します。
4. 商品やサービスを提供する方法(HOW)を決める
商品やサービスが提供する価値を設定したら、次に決めることは、商品・サービスを提供する方法です。顧客に対して自社商品の価値をどのように伝達・訴求し、どんなプロセスを経て販売するのかを、価格も含めて全ての顧客との接点を設定します。
商品・サービスの提供の方法を決める際、役に立つフレームワークとして知られているのが「4P分析」と「4C分析」です。
・4P分析
4Pは売り手側の視点ともいわれ、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(プロモーション)」を意味します。4P分析とは、この4つの戦略領域を分析することを意味します。また、4Pの適切な組み合わせを検討することを、マーケティングミックスといいます。
・4C分析
4Cは買い手側の視点といわれ、「Customer Value(顧客価値)」「Customer Cost(顧客が負担するコスト)」「Convenience(顧客利便性)」「Communication(顧客とのコミュニケーション)」を意味します。4C分析とは、この4つの買い手側の視点を考慮しながら自社の商品・サービスを分析することを意味します。
顧客が視える業種では、4Cを起点としたプランニングによって4Pを導き出し、マーケティングミックスを行うやり方が主流となっています。
3,マーケティング施策を成功させる4つのポイント
上記で解説した流れでマーケティング戦略を定めたら、次はその商品やサービスを販売するための最適な施策を講じていくステップに入ります。
ここでは、マーケティング施策を考えるときに押さえておきたいポイントを4つご紹介します。

一人ひとりの顧客に合わせた施策を立てる
ウェブマーケティングやデジタルマーケティングでは、一人ひとりの顧客に合わせた施策を立てて実行することが可能です。
中でもウェブマーケティングでは、個人に対して最適化した施策を打つ「One to Oneマーケティング」が注目されています。あるいは、BtoBにおいて特定の企業に絞って個別アプローチする「アカウントベースドマーケティング(ABM)」も、ベースとなる考え方は同じです。顧客それぞれに合わせた施策を立てることで顧客満足度を上げられると同時に、マーケティングの効率性も向上します。
顧客データを蓄積して活用する
顧客データを日々蓄積・管理して分析すれば、個別の施策を考える際に活用でき、なおかつ自社の顧客全体の傾向を把握することもできます。今後の新たな集客や顧客獲得のために役に立ちます。
ウェブマーケティングやデジタルマーケティングでは、購入履歴などの顧客データを効率的に収集することができます。また、定量データだけではなく、接客ア、ンケートやヒアリング、あるいはSNS投稿の分析などを駆使して定性データを集める方法もあります。
顧客へのフォロー体制を整えておく
顧客に対するアフターフォローも欠かせません。ユーザーサポートはもちろんですが、自社の商品・サービスに関する継続的な情報提供を行えば、次の購入に結びつける有効なマーケティング方法となります。
具体的には、メール、チャット、SNSを介した問い合わせ対応、オウンドメディア内のコンテンツによる情報発信などが挙げられます。顧客へのフォローが万全であれば顧客満足度が高まり、「顧客のファン化」にも結びつけることが可能です。
マーケティングツールを活用する
販売データや顧客データを管理し、分析するための各種マーケティングツールも高機能化・多様化しています。代表的なツールとしては、CRM(顧客管理)、MA(マーケティングオートメーション)SFA(営業支援)などがあります。顧客データのマーケティング活用など、ツール導入は経費圧縮などの収益の向上にも効果てきです。
また、ウェブアクセス解析ツール、分析に役立つBIツールなども、多くの企業が導入しているツールです。
これらのツールを活用すれば、必要な情報をいつでも参照し、リアルタイムに近い早さで分析結果を得ることも可能です。現在のマーケティングでは、データをいかに有効に活用するか、その正確性とスピードが非常に重要なものとなっています。
特に、小さな組織で運営されている事業(営業担当が居ない、少人数など)にマーケティングツールをおすすめしています。
4.企業の強みや市場の動きなどを分析し、先ずは自社に合ったマーケティング手法の選択を
マーケティング戦略にはいくつかのセオリーがありますが、その実践を売上拡大に効果的に結びつけるには、自社の商品の強みや市場の動き、顧客層の特性などを総合的に判断しながら、自社に合ったマーケティング手法を導入する必要があります。
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